7月9日(木)午前8時、東京・内幸町の帝国ホテルにて、塩谷立(しおのや・りゅう)文部科学大臣を招いて、第1回政策首脳懇談会を開催した。(詳細資料〔PDF〕 )
ざっくばらんな意見交換の少ないことが遅れの原因
他の分野に比べて、科学技術・産業技術に関しては、政策首脳とのざっくばらんな意見交換の機会が少ないことが日本の遅れの原因になっているとの、設立発起人などトップリーダー達全員の強い危機感と要望があったためで、有馬朗人会長の主宰で行った。
「このような有益な会合に招かれたのは初めて」と塩谷大臣
『科学技術新政策と今後の展開』の講演資料に沿いながら、@我が国の科学技術の現状、A科学技術を巡る今後の課題、B現在の我が国における重点化の方向、C科学技術政策の今後の展開などについて詳細に説明。その後、有馬会長の司会で、全員から科学技術政策に対する提案、意見が出され、塩谷文科大臣から総括して回答があった。最後に、塩谷文科大臣は「こんなに有益な会合に招かれたのは初めてだ。日本の生きる道は、科学技術の振興にかかっており、また、会合を開きたい」と結んだ。
全員の自己紹介の後、『科学技術新政策と今後の展開』と題して講演をする塩谷文部科学大臣。(左から、小林副会長、有馬会長、鶴田最高顧問、相磯最高顧問)
帝国ホテル3階の『鶴の間』で行われた、第1回政策首脳懇談会の全景
[1]塩谷大臣『科学技術新政策と今後の展開』について講演(詳細資料〔PDF〕 )
(講演「科学技術新政策と今後の展開」資料〔PDF〕:プレゼンで使用 )
[2]協会役員との意見交換(詳細資料〔PDF〕 )
【出席者】
来賓・講師 | 塩谷立(文部科学大臣)、 (随行) 原克彦(秘書官)、 |
---|
協会役員
会 長 | 有馬朗人(日本科学技術振興財団会長) |
---|---|
最高顧問 |
相磯秀夫(東京工科大学理事)、 鶴田卓彦(日本経済新聞社・元社長)、 |
諮問委員 |
木村文彦(法政大学教授)、 小島明(日本経済研究センター特別顧問)、 角忠夫(松陰大学大学院教授)、 畑村洋太郎(工学院大学教授)、 |
副 会 長 |
瀬谷通隆(代理 生駒俊明、キヤノン副社長)、猪野博行(東京電力副社長)、 児玉文雄(芝浦工業大学大学院教授)、小林陽太郎(富士ゼロックス元会長)、 永松荘一(代理 近藤史朗、リコー社長)、野田豊範(東海旅客鉄道副社長)、 吉海正憲(代理 松本正義、住友電気工業社長) |
専務理事 |
橋田忠明(日本経済新聞社社友)、 |
理 事 |
荒井寿光(東京中小企業投資育成社長)、伊賀健一(東京工業大学学長)、 石田寛人(金沢学院大学学長)、岡田武彦(代理 榊原定征、東レ社長)、 塚本桓世(東京理科大学理事長)、柳原正裕(代理 森雅彦、森精機製作所社長)、 |
監 事 | 相亰重信(三井住友銀行副頭取) |
事務局長 | 小平和一朗(イー・ブランド21社長) |
− MOT、欧米に比べ我が国は方向性が明確でない −
(講演「科学技術新政策と今後の展開」資料〔PDF〕:プレゼンで使用 )
科学技術については、重要課題としてしっかり取り組んでいかなくてはならない。それぞれ専門的な立場で、MOTの会を新たに作って頂き、この分野について欧米社会では、大学、大学院等でかなり確立された方向性を持って取り組んでいて、我が国はまだ方向性が明確でなく、しっかりとした方向性を持って、取り組むと同時に、日本MOT振興協会の皆様の協力も必要と述べ、さらに、我が国の科学技術の現状、科学技術を巡る課題、我が国における重点化の方向、そして科学技術の新政策の展開について詳細に説明した。
我が国の科学技術レベルの高さを認識する
最近の科学技術の明るい話題は、4人の日本人がノーベル賞を受賞したことで、私もスウェーデンの授賞式に招待された。授賞式に出席できたことは、大変光栄なことで、改めて我が国のレベルの高さを認識した。また、宇宙開発の分野や、IPS細胞研究など、日本が世界をリードして研究開発を進めており、国民からも高い関心を持たれている。
科学技術政策の基本的な方向
科学技術の分野で色々明るい話題がある一方で、進めるにあたっての課題もある。我が国の科学技術政策の基本的な方向は、科学技術基本法に基づいて科学技術基本計画を立てて進められていて、現在、この基本計画の3期目にあたり、平成22年までの計画で実行中。・・・
国際的に見た科学技術の指標
我が国の研究費総額は、アメリカに次いで2番目の状況だが、政府と民間の研究費を合わせた額が政府負担の割合で見ると欧米諸国と比較して大変低い状況・・・・・基礎研究に目を向けてみると、日本の基礎研究費はアメリカの4分の1程度の水準でしかない。・・・
国立大学の運営費交付金と私学助成予算の削減が続いている。・・・
研究の質の面では、日本の相対被引用度は、被引用回数を論文数で割ったところで、日本は主要国中6位。順番としては、米、英、独、カナダ、フランス、日本の順で、・・・・・・しかし、中国、韓国が近年、急速にシェアを伸ばしており、日本のシェアは減少している。
産学官の連携や研究成果の実用化
共同研究の数で見ると、2000年頃から大幅に増えている。受け入れた金額も340億円に達している。大学等による特許出願数を見ると2002年から2007年の5年間で11.9倍と、大幅に増加・・・。
大学発ベンチャーの設立年度別起業数も2000年頃から加速度的に増えており、平成19年度末時点で1773社の大学発ベンチャーが活動中。・・・・・この分野でのMOT人材の活用、活躍が期待されており、皆様方のご指導を頂きたい。
研究開発を支える人材
博士課程を修了した若手研究者の供給は大きく存在する中で、受け入れ側の需要は、必ずしも多くなく、・・・・博士課程の修了者を全く採用しないと回答した企業の割合も高い。・・・・・最近気になる動きは、我が国から海外への留学生の数が横ばいの傾向にあり、特に米国へ留学する学生の数は、急減している。憂慮すべき事態だ。
科学技術をめぐる今後の課題
日本だけでなくて、世界の将来に目を向けた場合、地球温暖化が大きな問題である。この分野は、科学技術による課題の解決に大きな期待が寄せられている。・・・・・少子高齢化や人口減少が進んでいく中、大きなGDPの成長が見込めなく、国内経済の運営が大きな課題である。
現在の我が国における重点化の方向
地球温暖化の防止に向けた新たな枠組み・・・・この野心的目標を達成するには、既存の技術だけでは難しく、革新的な技術開発が必要。・・・・・イノベーションを創出する革新的基礎開発や、科学技術外交、さらには研究成果を社会に還元していくプロジェクトの推進、そして地球科学技術の振興などを挙げ、これらの研究開発を進めるために、その基盤を整備することが重要で・・・
科学技術政策の今後の展開
過去にノーベル賞を受賞された方々を含めた皆様方からご意見を頂き、基礎科学力強化総合戦略構想を策定した。・・・・・また、出る杭を伸ばすような人材を養成する新しいシステム、大学院教育等の抜本的改革、小学校からの未来の創造的人材の育成、科学技術や高等教育への公的資金の抜本的拡充、そして、国際的な研究拠点の整備や研究支援機能の強化など、・・・・・この分野に、MOTの関係の色々な政策をしっかり盛り込んでいかねばならないと考えている。
「ノーベル賞の授賞式に出席して、改めて我が国のレベルの高さを認識した」と語る塩谷大臣
「日本の基礎研究費はアメリカの4分の1程度の水準・・・」など、今後の課題についても、説明があった。
協会の出席者から活発な提案や要望が相次いだ。
「最先端研究開発支援プログラム」
今回の経済対策の一環として将来の成長につながる研究開発を最長5年間支援することを目的として、総額2,700億円の基金を措置した。基金としたことにより、これまでの制度と異なって、多年度にわたる研究資金を確保・・・
力を付けてきた中国との協力をどうするか
有馬会長:重要なポイントが沢山ありましたが、一番将来を心配しているのは中国の伸び方。論文数は大臣がご報告のように既に世界の第2位。長年かかって日本は世界の第2位にもっていったが、たちまち抜かれた。中国との協力をどうしていくかが心配だ。・・・・・20年前の状況に比べ、現在の科学技術に対する研究費を国が沢山出して、今、第3次の科学技術基本計画の24兆円の実現を心配していたが、平成元年、平成2年の頃に比べたら様変りしている。1995年の科学技術基本法並びにその翌年から始まる科学技術基本計画の実行で、これは科学者の一人として国に対してお礼を申し上げたい。
科学技術基本計画の実行に関し、有馬会長は、「科学技術に対する研究費は、平成の初めから見ると、様変わりであり、国に対してお礼を言いたい」と語った。
オーダーメイド医療という制度改革
鶴田:ヒトゲノム細胞の樹立は、今非常に話題になっている最先端の分野ですが、私はもう1つあると思う。それは、オーダーメイド医療だ。今の医療の問題の1つは、患者は医者を選べない、医者は薬を選べないというのが最大の問題。・・・・・ヒトゲノムとITの関係を結びつけて1つの体系を作れば、うまくいくと思う。ITの専門家の方は、この問題に余り関心を持ってくれない。・・・
ベンチャー育成のためのカリキュラム
相磯:価値創造型のベンチャー企業が日本の産業構造の一角をきちんと占めるということが大変重要で、そのためには大学における教育研究が見直されている。1つはどんな分野でもベンチャーマインドを持つということは大変重要で、それぞれの立場で、価値創造的ベンチャーの育成のためのカリキュラムを検討して欲しい。・・・
革新的な技術が、低炭素社会を実現していく
猪野:国を挙げて低炭素社会を目指す。電力会社はCO2を沢山出しており、技術開発に取り組まなければならない。低炭素社会は、技術が解決していくのだ。革新的な技術開発が大事だ。長期に渡るとどうしてもリスクが非常に高くなるので、官民一体となっての支援が必要。原子力の話とか、再生エネルギーとかを中心に進めていく。・・・
ベンチャー投資会社の経営は難しい、何かうまい策は
相亰:ベンチャー企業の投資というのは、実は非常に難しい。100打てば1つくらい当る、3つくらい当たれば大儲けというような形になる訳で、この投資が難しくて個々に対する支援が、うまくできないのかなということ、・・・・・ベンチャー投資会社を経営するのが、難しいところだ。こういうあたり何かうまい策がないのかと常々感じている。
科学技術基本計画を通して、基礎投資を強化
近藤(代理 永松):30年間、霞が関でハイテク産業政策や科学技術政策を担当、・・・・・実際に民間で研究開発を担当すると、大半は製品化のための投資、いわばモノづくり投資で8割が民間負担、製品化投資に金を使っている。・・・・・米国やEUに比べると、日本の基礎分野への投資が非常に少ない。科学技術基本計画を通して基礎投資への強化をしたい。
若い人の海外志向マインドが落ちている
松本(代理 吉海):日本の科学技術は、個々の要素で見たら高い水準を持っている。しかし、その社会化の課程が描きにくく、実際に社会に導入する場合には、結局その科学技術行政と色々な制度干渉とかある。繋ぎ方を工夫すれば、・・・・・生かされる。今年33名を研究部門で採用し、面接をした時、海外に行きたいと思うかの質問に、行きたいと言ったのは1名。・・・
「ヒトゲノムとITを結び付けて1つの体系を作ればうまくいくと思う」と語る鶴田最高顧問(左から有馬会長、塩谷文部科学大臣、鶴田最高顧問)
「価値創造的ベンチャー育成のためのカリキュラムを検討して欲しい」と語る相磯最高顧問(左から鶴田最高顧問、相磯最高顧問、猪野副会長)
「ベンチャー投資会社の運営は難しい。何かうまい策がないのか」と語る相亰監事(左から、相亰監事、永松氏)
サービス化で、製造業は向上し、人材も育つ
角: 20世紀は製造業の時代で、21世紀はサービスの時代だといわれる。就業人員や、GDPの7割が第3次サービスセクターだ。製造業自体もモノづくりだけでなくサービスをやらないと、ソリューションをお客様に提供できない。・・・経営者がサービスに注目することで、技術者が育つ。・・・
科学技術を具現化する現場の潜在能力を高める
森(代理 柳原):総合科学技術の中でキーとなるのは人、人材の育成ということになるのではないか。特に私ども製造業は、科学技術を具現化する現場の潜在能力を高めるということを今後セットで考え、政策にも反映して頂くということが必要になってくる。
種から芽、運営交付金で若い人の研究をサポートする
伊賀:国立大学の運営交付金が1%ずつ減ってきて、もう限界だと大臣も指摘。独法化は良かったが、思わぬことが起きている。東大、京大、はじめ強い大学は、益々強くなって、忙しい人は忙しくなって、疲労気味だ。・・・科学研究費の充実というのが、フェアーで競争的である・・・
特許の国際戦略を考えるには、専門的な体制が必要
荒井:良い研究をしたら、右手に論文、左手に特許と、こんな気持が必要だ。特許は、決して独占するための手段ではない。そういう段階は終わり、世界中に公開するための手段であり、・・・・・世界中に特許を取って世界と協力するという体制が必要だ。1つはお金、もう1つは体制だ。
中国の躍進の中、日本は委縮するという危険がある
小島:中国は発展し、今年のGDP、日本は世界第2位でなくなる。その時、日本の社会・・・内向きになるのか、反中国になるのか。新しい日本の存在感とは、・・・・社会的なシステムがアメリカと比較して全然違う。やる気がある人を世界中から集める。この組織力を学ばなくては・・・
破壊的技術とか、MOTにも色々な革新が起きている
児玉:論文の被引用数の統計欄は、日本ではほとんど意味がなかった。・・・・昔は中国は数字に入っていなかったが、急に前面に出て日本を凌駕した。MOTの技術革新のパターンについて、破壊的技術とか、オープン・イノベーションとかいう従来とは違う・・・
研究開発コミュニティが、目標に向かって歩みができる
石田:科学技術基本計画に対応して、科学技術コミュニティ、研究開発機会のあり方で、妥当な競争をする範囲、協力する範囲と・・・・IPS、これも実際は具体的に難しいメカニズムが働く。我が国の研究開発コミュニティが目標に向かって、しっかりした歩みができるようなやり方を・・・
「製造業自体もモノづくりだけでなく、サービスをやらないとソリューションをお客様に提供できない」と語る角諮問委員。 (左から、吉海氏、角諮問委員)
社会の中にある潜在的エネルギーをピックアップ
畑村:「危険学プロジェクト」を、国のお金を1銭も貰わずやっている。1歳から19歳までの子供の死ぬ原因は、実は病気ではなくて不慮の事故だ。・・・・今から10年前、「失敗知識活用研究会」を作った。今は国からお金を貰って科学技術振興機構で失敗知識データベースという事業をやっている。・・・世界中からアクセスが来ている。
私学も科学技術創造立国に寄与する人材を出している
塚本:私の大学は理科系単科大学で、科学技術創造立国に寄与する人材を出しているのは国立だけではなくて私学も相当貢献している、・・・・今の計上は、余りにも少な過ぎる。文部科学省の委員会に時々出るが、委員会の方々も国立大学のことしか目に入っていない、・・・私学に明るい人をもう少し委員会に出させて頂きたい。
産業界を離れた60歳以上の人材を小学校などの教育の場で活用
小平:60歳以上の方が、産業界を離れて溢れている。その人達の産業界での実績を教育の場で生かす方法はないか。中学校、小学校というところで、もっと科学技術に関心を持たせるという話ができる仕掛けづくりを検討して頂ければと。
オプティクス、精密技術、いわゆるコア技術が重要
生駒(代理 瀬谷):低炭素のためのエネルギー、ライフサイエンスが非常に重要、一方で、オプティクスであるとか、精密技術であるとか、日本のいわゆるコア技術も重要・・・・オプティクスでは数年前から宇都宮大学から支援して頂いている。文科省のご理解も頂き、今年、そのオプティクスのための新しい研究施設が建つ。
科学技術の面白さをテレビを使ってPRしたい
榊原(代理 岡田):科学技術を素人は分からなくていいのだという感じになっている。もっと一般の国民に科学技術が分かるように、テレビの番組を上手く使ってPRし、これは面白いなというふうにやっていくことが・・・・私たち一般国民は、分からなくていいということをやっていると、理科離れが今後とも進んでいくのではないか。
国のお金に頼らないと決めて「危険学プロジェクト」に取り組んでいると畑村諮問委員が報告。 (左から児玉副会長、石田理事、畑村諮問委員)
モノづくりに関する研究は重要だが予算がつかない
木村:科学技術の基本計画の予算の執行状況をみると、モノづくりの分野として見えている分野は少ない。モノづくりに関する研究は、非常に地味で、実務的で、・・・・例えば、寿命評価、品質保証、ライフサイクルなどの研究は見えにくく、・・・・なかなか研究費も容易につかない。日本の製造業の現場は強いが、設計分野は強くない。
景気対策では、科学技術、産業技術に重点投資
橋田:景気循環の政府の特別対策の中で、科学技術や産業技術に対する投資をさらに増やすべきだと考える。科学技術、産業技術の脚光を浴びる分野が、次第に生活関連の方へ移ってきている。・・・・総論で終わりがちなところを、各論ベースで拡充する必要がある。重点的なPR、発表をすることで、・・・・・一層の振興につながる。
ドクターの人達、企業だけでなくて、教育界にも進出できるように
野田:私どもの鉄道会社は鉄道の現場や研究施設も持っているが、修士課程までという勘定をしている。高速鉄道の研究施設も、修士課程修了者が中心で、ドクターの人達を雇用する状況でない。教育界は教育学部を出た人達が先生になれるという。そういう形だけで良いのか。高校、中学にドクターが活躍できるようにならないか。・・・
出口の大学がお粗末では、良い人材を育成できない
小林:日本の高等教育の中身、今の社会的関心からいうと、少々、初等中等教育に集中している。出口の大学がお粗末では、良い学生は出てこない。ここはアメリカの状況を見ているとはっきりしていて、何とかして頂きたい。最近の若い人は、内向きだといわれる。・・・・能力のある人は、魅力ある条件を付けて出すことが必要だ。
「モノづくりに関する研究は、非常に地味で、実務的」と語る木村諮問委員。 (左から木村諮問委員、橋田専務理事)
理科の教育で小学校の役割は大きい
有馬会長:小林さんが、大変良いことを言って下さった。私は学術振興会の理事長に「1回外国に行ってこなかったら、助教授、教授にしないという法律を作ってくれ」と、お願いをしている。そのくらいすれば、絶対1回外国に行ってこようという気になるだろうと。・・・・例えば理科の教育を集中的に良くしようとか、そういう努力をしているような教育系の大学にお手当てを頂ければと。
塩谷大臣:新しい方向は無限に広がっていることを、皆さんのご意見から感じた
「科学技術については、我が国として最重要課題であり、その推進のためには、色々な場面で人が必要だというのは明らかで、そのための教育、それから国際的な競争力に勝ち抜くための、新しい方向性をどうつけていくかというのは無限に広がっていることを、それぞれの方のご意見から感じた」「より元気を出すためには、政府自ら、取り組んでいくことが必要だ」「それにはまたご意見やご指導を是非お願いしたいと思うので、忌憚なく我々と話し合う機会を作って頂きたい」「私のほうからも、出向きます」と、塩谷大臣からまとめの感想と積極的な発言があった。
有馬会長が「今日は、大臣はじめ皆様方、大変お忙しいところをお集まり頂きまして、ありがとうございました。また、塩谷大臣には、大変細かいデータを中心に、お話を下さいまして、ありがとうございました。大臣には、これから益々ご活躍になられることを祈念致しまして、今日の会合をお開きにしたいと思います」と締めくくった。
「教育の根幹である小学校の先生の役割は大きい。特に理科の方で大変大きい」と訴える有馬会長。 (左から小林副会長、有馬会長、塩谷大臣、鶴田最高顧問、相磯最高顧問)
有意義な政策首脳懇談会が終わり、塩谷大臣にお礼を述べる有馬会長