第1回 「女性の活躍舞台づくり」第1回委員会報告
平成23年3月16日、日本記者クラブ(東京・内幸町)にて、本年3月11日に突然勃発した東日本大震災の直後だったが、予定通り第1回の委員会を開催した。会議中にかなりの震度の余震があった。
まず、自己紹介を順番に行い、委員長の国井秀子リコーITソリューションズ会長は「ジェンダーバイアスをなくすことを一生の仕事にしている」と決意を明らかにした。続いて、堀井紀壬子NPO法人GEWEL代表理事が「2004年スタートのNPO法人の活動が第2期に入り、大学と共同のダイバーシティの調査研究の強化とグローバリゼーションが課題」と述べた。
守屋朋子金沢工業大学大学院教授は「ダイバーシティと技術者のあるべき姿の追及、MOT(技術経営)による技術者の社会進出」について抱負を語った。橋田忠明専務理事が(社)日本MOT振興協会の設立以来の主な活動と「女性の活躍舞台づくり」のテーマのMOTの観点からの重要性を説明した。小平和一朗事務局長は、米国駐在の体験を基に、社会での女性の活躍の重要性について語った。
東日本大震災の余震の中、第1回の委員会を開催した。左から橋田専務理事、
その右隣りは國井委員長、守屋副委員長、堀井委員と続く。
当日の議題は、(1)組織化の目的、(2)直面している課題と解決への取り組み、(3)今後の活動方針、(4)運営面の具体的な事項−−などで、出された主な意見は以下の通りである。
・ 女性の部長職が多いと企業業績も伸びる相関関係がある。
・ 女性技術者の管理職を増やす必要がある。
・ 理系女子学生を増やすことが重要である。
・ 女性の能力評価を質的に行うことが重要だし、質的に向上している。
・ 最近は、銀行、証券が危機感を持って、女性の活用など、このテーマに動き出している。
・ この協会の会員企業を見ると、東京電力、東レ、JR東海、NTT、三井住友銀行など、女性が活躍していることで有名である。一方、成功経験のある所で、遅れている企業も出ている。
・ 女性の割合は、リコーITで3割、リコー本社で15%、管理職は3〜4%である。
・ 経営者の認識を高めるよう啓発活動を積極的に行い、サポートを増大したい。
・ ベストプラクティスを注目する必要がある。
・ チリ地震の復興に女性の力が大きく貢献した。今回の東日本大震災の復興計画にも女性の意見、提案を重視していくことが重要である。
・ 女性の技術系管理職、採用比率、平均在職年数など、企業対象と技術者対象のアンケート調査をする必要がある。
・ ノルウェーやフランスのホードメンバーのクォーター制など、海外情報について、日本人、外国人の両方の面からウォッチする必要がある。
・ 委員会組織にし、企業中心で大学なども加える。